ナカのひとびと

広島で育ち、瀬戸内海の牡蠣筏までゴムボートで漕ぎ出して投げ釣りを楽しんでいました。当時はスマホもなく、1時間ぼうっと竿先を眺めている。いつ何がくるかわからないワクワク感が楽しい。見たことがない魚に興味がわくのです。しかし、ミツバチの大群に追われたハプニングは忘れられません。好きな魚はカサゴやカレイやアイナメ。現在はマグロの競り人をやっていますが、好きなのは白身です。

画像は、下付けの様子です。150㎏ほどのマグロの腹の内側をライトで照らし、鮮度、色、厚み、脂などの状態を見ているところです。ライトを使うのは築地豊洲の伝統です。漁場や漁法、保存方法、個体の大きさも毎日違う。これに対応しながら荷主と仲買の双方が満足する品質と価格を公正につなげるのが私の役目。そのための準備のひとつです。後輩にも教えていますが、「今の最適」を見極めるのは簡単ではありません。それでも、いつどんなマグロがやってくるのかというワクワク感が楽しいのは、子供のころから変わらないようです。

中央魚類株式会社
山本享

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