
「開発部の鮮魚版」の仕事を始めてもうすぐ満一年になります。
中央魚類の競り人が扱う生鮮品を量販店に提案していく営業が仕事。朝9時頃、社内の競り人に「明日、何が揚がりますか?」と情報収集するところから一日が始まります。前日には、全国各地の水揚げ情報がほぼ入るので、それを各量販店のバイヤーに直接提案します。冷凍品と違い、生鮮品は毎日水揚げも価格も変わる生き物。事前提案はなし。豊洲の量販店の事務所に通い詰めます。
営業を始めた当初は、1ヶ月間一匹も売れない日々が続きました。でも、通い続けるうちに「今日は何がある?」と声をかけていただけるようになり、初めてサワラが売れた時の震えるような嬉しさは今でも忘れられません。
気づいたのが「固定観念を持たずに仕事をする」こと。これは過去の失敗ともつながります。開発部1年目、あるバイヤーさんから「困った時だけ電話してきて、顔も見せないのか」と叱られました。その時気づいたのです。市場の仕事は魚を売ること以上に、信頼を繋ぐことなのだと。悩むくらいなら、まず会いに行く。
何より大切なのは、社内外のコミュニケーション。競り人から情報をもらい、バイヤーとの関係を築く。人と人をつなぐ仕事です。
正直、大学時代は「お前が市場?」と言われるくらいコミュニケーションは得意じゃありませんでした。ダイビングに明け暮れ、ミノカサゴの優雅な姿を眺めるのが好きでした。そんな「見る専門」だった私が、今では早朝の市場を駆け回り、魚の価値を伝えることに熱中しています。
来年は新しい量販店を増やして、いつかは大衆魚も扱えるような関係を築いていきたい。
明日も「まっさらな気持ち」で営業に向かいます。
※画像は、サワラの若魚「サゴシ」です。
