ナカのひとびと

白身魚の王様と、毎朝向き合う

愛媛県宇和島市の出身で、子どもの頃からアジやカサゴ、タイを釣って育ちました。「水産や食品系の会社に行きたい」という思いがあり、縁あってこの会社へ。以来14年、主にタイを担当してきました。早朝から始まる分、昼前には仕事が終わる。この働き方も気に入っています。

タイは産地も旬も年によって変わります。九州産がいい時季もあれば、青森産が主力になることもある。納品先のスーパーや百貨店を回り、担当者に「今日のタイはどうでしたか?」と聞くのが日課です。毎日の情報収集が欠かせません。
大きさも多様です。例えばスーパーでは、小ぶりな300~500gのものは家のグリルで焼けるようパックにし、大きめの1~2kgは切り身や刺身として売れます。私がメインで扱うのは800g~2kgです。

買い物をするとき、切り身なら、脂がのっていて身が透き通ってきれいなものを勧めます。一尾だったら身が太っているものです。私は、頭のすぐ横を指でつまむとだいたい太り具合がわかります。

タイはおめでたい魚でもあります。お祭りの奉納用には、活〆ではなく傷のない野〆を探し出す。日本人にとって大衆魚でもあり特別な魚でもあると思います。

昨年は子どもの保育園から頼まれ、お魚教室を開きました。漁港の映像を見せながらサケをさばき、「これが頭、これがしっぽ」と説明すると、子どもたちの目が輝きました。スーパーでは切り身しか見たことのない子が、魚まるごと一尾に触れる。その瞬間を作れたことが、何より嬉しかったです。

中央魚類株式会社
島川 洋

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