市場外の販路開拓に挑む
市場とともに歩んできた中央魚類。その伝統を重んじつつ、時代の流れを読み、市場外のニーズにも対応しながら新たなビジネスチャンスをつかむ。その最前線が開発部だ。
開発部部長
田中 大巳
2001年入社
開発部開発一課 課長
中村 卓路
1998年入社
開発部開発二課 課長
外食・海外チーム
瀬戸 渡
2006年入社
開発部のお客様は市場外
田中
中村
中村 一課は、食品スーパーなど量販店をメインに対応している。ほかの部署も量販店対応はしているけれど、我々は量販店と一緒に商品開発や産地開発するなど、競り場にいる人たちとは違う切り口で対応している。
田中
田中 昔は量販店にしか売っていなかったのです。そこに、市場外のお客様...といってもチャネルがたくさんあると、瀬戸さんが。
瀬戸
瀬戸 はい 、開拓せざるをえなくなったというか。15~16年前ですね、まずは得意先を探すところから始めました。それこそあらゆるところに顔を出して、食べに行ったり話を聞いたり。寿司、居酒屋チェーンにかぎらず産業給食なども含めて、量販店以外はすべて「外食」の範疇で。
田中
田中 量販店、外食、どれも伸びているけれど、コロナ後から本格的に動き出した海外輸出が伸び率としては一番大きいかな。まだまだお客様はたくさんいらっしゃる。
量販店のニーズに即応
田中
田中 外食に魚を販売するのはかつては仲卸。20年以上前は量販店も仲卸が対応していた。しかし、どちらも店舗がどんどん増え、出店エリアが拡大していく中で、仲卸さんでは量的に対応がむずかしくなってきた。その中で量販店のお客様の要望もあって、徐々に卸が直接販売する流れができていった。そういう時代の流れがあります。
中村
中村 しっかりまじめに商売をしていると信用ができてくる。その噂を聞きつけて取引してほしいとご要望が来るのです。信用があるから。
田中
田中 間違いがないように365日しっかり受注し発注する。お客様のセンターまで商品を指定時間に確実に届けるという物流のコミット。商品を売るだけではなくてそれを支えるすべての業務を、それが大きな規模になっても滞りなく当たり前のようにやれるということが、この時代に求められている。
苦労とやりがい
中村
中村 やはり大型商材ですよ。市場で一番消費量が多いサーモンやその次のマグロの商談なんて、数多くの会社から食品スーパーに提案があるので競争が非常に激しい。ハードな商談をまとめる。そしてお約束通り正確に納品する。利益を残すのは本当に大変なのです。(笑)
瀬戸
瀬戸 外食は、少量多品種で量販店と真逆。天然魚だから水揚げが上下することは、今でこそ理解してくださるようになりましたが、昔は「あるだろ?!」と...厳しい。チェーン店なので、例えばひとつの商品を10トンとか、必死で集めないといけない。あるにはあるけど価格が高すぎて買えないことも。
中村
中村 供給責任というものもある。それが信用だから。
田中
田中 大きな災害でもないかぎり、どこかに必ずある。手を尽くすこと。
中村
中村 「ない」と言われたものでも、社内の情報ネットワークを使ったり、独自に現地に行って確認し調整する。そこに我々の部署に対するお客様の期待がある。
急成長する海外マーケット
瀬戸
瀬戸 以前も商社を通して海外に販売していたけれど、近年は、海外のお客様にいい値段で直接買っていただき、需要もどんどん伸びている。これは直接販売していかないといけないとの危機感から、ネットで調べて電話して新しい販路を開拓しています。
田中
田中 中国や台湾に飛び込みで電話を入れている。
瀬戸
瀬戸 本格的な和食が、今では海外でも文化として定着していて、海外のスーパーの方が日本よりも立派なお寿司を並べていることも。これが続くと、日本では魚を食べられなくなるのではないかという危機感を感じます。
中村
中村 今朝、豊洲に届いた魚がその日の夕方にはタイやシンガポールで料理として提供されるというスピード感。
田中
田中 日本のお客様も、成長している海外への投資が活発です。
瀬戸
瀬戸 情報化社会を痛感する。おいしいと知るとその商品を細かく指定。今日、他店で出た魚介の評判がいいと「明日、うち用にもその魚ないですか?」とその日のうちにタイムリーに連絡が来る。すごいですよ。
あらためて、開発部とは?
中村
中村 外食とか輸出とか、これは卸売会社として、以前は「やっていないカテゴリー」でした。その「やっていなかったカテゴリー」を卸売会社のポジションで取引やマーケットを確認して、やっていきましょうというのがこの部署。人生の茨みたいな仕事です。
田中
田中 我々もだんだん会社っぽくなってきた。
中村
中村 新しい部署だから、新たな仕組みをどんどんつくってきた。これは楽しい。
田中
田中 今後も開発部が会社にとってなくてはならない部署にならないといけない。
中村
中村 取引先のお客様からは、中央魚類があってよかった、提案力やスピード力がいいと言っていただけることがあります。お客様からの支持が増えていって、それが中央魚類グループ全体のブランド力向上につながればうれしい。信用第一で頑張ります!
瀬戸
瀬戸 私は海外市場をもっともっと開拓したい。将来的には海外の支社ができたらいいな。現地に転勤した夢を見ます。
田中
田中 瀬戸さんは出張で充分!(笑)
田中 この部署の販売先のカテゴリーは大きく分けて4つ。食品スーパーなど量販店、大手の回転寿司や居酒屋チェーンなど外食産業、海外、そしてECサイト。要するに市場外にお客様がいる。